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2021年09月 アーカイブ

2021年09月03日

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MSXゲーム開発メモ(多言語対応)

 お久しぶりのブログ更新です。りんご干して呑気に写真撮ってた前回更新時は「なんか中国で変な病気流行ってるみたいね」って感じでしたが,あれから1年半の間に世界は一変。趣味のスポーツ観戦どころではなく外出を控える日が続いて何をしていたのかと言えばMSXでゲーム作ってました。…まあ待て,俺の話を聞け。

 
 作っていたのはこんな感じのゲーム。ファミコン版のドラクエとFFにゲームボーイ版のSaGaを足して4で割った感じのショートRPGです。サイトの方には「セーブ機能が無い代わりに1時間程度でクリアできるボリューム」って書いたけど実際は初見プレイだと普通に3時間ぐらいかかります。ごめん。

 で,このゲームは英語版も作ったんですが,MSX(というか低解像度環境)で多言語対応のゲームを作る場合はテキストエリアに余裕を持っておかないとしんどいことが判ったので記録としてここにまとめておくことにします。twitterにも書いたけどあっちは流れちゃうからね。

 普段意識していなかったけれど日本語は欧文よりも文字数あたりの情報密度が高い。例えばアイテム欄に『どうのつるぎ』や『ロングソード』と表示したい時,日本語だと『つるぎ』も『ソード』も3文字。プアな環境では難があるので今回は使用を見送ったが,漢字なら『剣』の1文字で済ませることもできる。こういう場合に表意文字は強い。

 一方『ソード』を英語で表示すると『sword』で5文字,同じ表音文字で表記しても1音1文字のひらがな/カタカナと,子音母音を組み合わせるアルファベットでは表示に必要なスペースが倍近く違う。いわゆる半角/全角の概念がある環境なら吸収できる差だがキャラクタ管理が8×8ドット固定で定義数にも限りがあるMSXではそうもいかない。

 更に今制作中のスペイン語版では『ソード』相当の表示をしようとすると『espada』で6文字必要になる。日本語なら6文字あれば『ロングソード』が表示出来るけれどスペイン語では同じ文字数を消費しても『ソード』だけになってしまう。

 略語を使ってスペース内に収める方法もあるが,翻訳元・翻訳先両方の言語に精通していないと適切な略語をチョイスするのは難しい。英語版を作成するにあたって参考までにSaGa2の英語版を調べたけれど,冒頭で仲間になる「せんせい」が「Mr.S」になってて笑った。4文字に収まってるってだけじゃねえか,誰だよミスターS。(一応書いておくと「せんせい」=「先生」です)

 こんな感じで日本語と欧文では限られたスペースで表示出来る情報量にかなりの差がある。かといって欧文のボリュームを前提にしてレイアウトを組むと今度は日本語版がスッカスカの画面になるので,共通レイアウトにするなら両者のバランスを考えないといけない。

 
 MinQは当初から多言語対応を考えていた訳では無く,リリース後に海外ユーザからの要望もあって英語版を追加したので日本語版レイアウトのままテキストだけ差し替えている。

 たまたまゲーム構成上の必要があってアイテム名には種別アイコンを入れていたので件のロングソード問題は解決(ある意味アイコンは表意文字,プリミティブな漢字だ),その他のゲーム進行メッセージも意外と収まったが同じ方法で制作中のスペイン語版は難儀している。先ほど『sword』と『espada』の例を挙げたけれど全体的にスペイン語の方が英語よりも文字数の多い傾向にあるのだ。

 
 文意を損なわない程度に文章を簡略化した上で更に定冠詞や助詞に相当する物を省略,一応機械翻訳に掛けるとカタコトで意味が通じるレベルにはなっている。指定領域に入りきらない長い単語の場合,辞書で前後の単語を調べてそれらと区別が付く範囲でいい塩梅に語尾を削ると機械翻訳に放り込んでもキチンと訳されるので,恐らくネイティブであれば略語と認識して貰えるのではないかと思う。

 何故スペイン語版を作っているのか,というかそもそもなんでMSXなのかという説明を最初にしなければいけない気がするけどそれらはまた別記事に。

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2021年09月04日

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MSXゲーム開発メモ(多言語対応その2)

 前回の続き。自分を知っている人からすると突然ゲームを作り始めた様に見えるかもしれないし実際突然作り始めているんですが,意欲自体は結構前からあってプラットフォームの検討を続けていました。

 検討した結果がなんでMSXになったのかと言われると様々な要素があり過ぎて困ってしまいますが,少なくとも『2021年にゲームをリリースするプラットフォームとしては極めてニッチである』ことと『作っているゲームが30年前の古いセンスである』ことはちゃんと自覚しています。大丈夫,俺は正気だ(羽交い絞めにされながら暴れる

 MSXはいわゆるレトロPCの中では比較的ユーザ規模が大きく,twitterに開発中の画像や動画をアップするとありがたいことに当初全く想像していなかった海外ユーザからも反応があって,これはいずれ英語版も作った方がいいかなーと思っていた矢先に『英語版は無いの?』と問い合わせがあったのでリリースが一段落したタイミングで着手。

 英語,学生時代の成績なんてそりゃ酷いもんでしたが今は無料で使える翻訳ツールが幾らでもあります。今回は各種オールドRPGの英語版を参考にしつつDeepLを使って英訳しました。DeepLは便利なんですが稀に『AはBの場合にCだからDです』⇒『AはCだからDです』みたいに重要な項目がすっぽり抜け落ちることがあるので基本的に 日⇒英⇒日 と往復チェックした方が良いです。

 そんな感じで英訳を進めているとDeepLすげえな,これあれば他の言語も行けるんじゃね?となって現在はスペイン語版に取り掛かっている次第。

 英語以外の言語対応と言ったら一般的には母語人口の多い中国語が候補に挙がりますが,ここでMSXというプラットフォームが影響してきます。日本以外でMSXが普及した国は主にオランダ・ブラジル・韓国という認識だったんですが,実はスペインが日本に次ぐ規模で普及して今でも新作ゲームがリリースされたり活発なコミュニティがあるそうで,実際今回反応してくれたのもスペイン語圏のユーザが多かった訳です。そもそも母語人口も英語に次いで3位ですしね。あとスペイン語とポルトガル語は相互に意思疎通が可能なほど似ているとのことで,ブラジル等のポルトガル語圏ユーザにもリーチできたらいいなという期待もあります。

 しかし今回翻訳を試みるまでスペイン語とは一切縁が無かったのでなかなか難儀な作業ですね。学生時代に必修だったドイツ語の恩師が『1年間じゃ大して身に付かないから目標は「ドイツ語を見てそれがドイツ語だと判る」レベルだ。それさえ判れば後はどうとでも調べられる。』と言われたのが強烈な印象に残っていて,実際ドイツ語と全く無縁の生活を続けている今でもなんとかそのレベルはキープしています。スペイン語も当面はそこが目標です。

 ちなみにそんな初学者がDeepLを使って数日翻訳作業をやってみた感想ですが,日⇒西 と直接翻訳するより 日⇒英 で一旦納得の行く英訳をした後に 英⇒西 とした方が精度が高い様な気がします。まあ精度もクソも最後に 西⇒日 とチェックした日本語でしか判断出来ませんが。あと,複数の訳語候補が出て細かいニュアンスを確認したい時や略語を模索する時はやはり紙の辞書が便利です。私はメジャーな西和辞典の中で一番収録語数が多く,類語掲載の評判が良かったクラウン西和辞典を使用しています。

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2021年09月07日

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MSXゲーム開発メモ(セーブ機能)

 MinQはRPGにも関わらずセーブ機能がありません。短いゲームだからセーブ機能を省いたというのは順序が逆で,セーブ機能が無いので一気にクリア出来る内容に抑えたという感じです。とはいえこれでも当初の想定より相当ボリュームが多くなってしまっています。最短の攻略ルートを把握した上でRTA的にプレイすればサイトで謳っている通り1時間以内にクリア出来ますが(実際アップデートリリース前の通しプレイではいつも大体40~50分でクリアしています),初見プレイだと軽く2~3時間は掛かります。

 セーブ機能が無いのには理由があって,まず前提として大半のユーザはMSX実機を所有していないか,所有していてもディスクイメージを実機へ持って行く術が無く,WebMSXでプレイするだろうということがあります。サイト側でもWebMSXでブラウザゲームとしてのプレイを推奨しています。

 この場合セーブ機能を実装しても中断時にはWebMSXからディスクイメージをローカルPCに保存,再開時はWebMSXにそのディスクイメージを読み込ませないといけないのでこれではカジュアルにプレイ出来るとは言えなくなってしまいます。最初からディスクイメージをリリースして各自好きなエミュレータでプレイして貰えば問題無いのですが,それはライトなユーザにとってハードルの高い行為だと考えています。

 次に,ディスクセーブが難しいならパスワード制はどうかという話になります。
 こちらも検討はしてみたのですが

・コントローラだけでもプレイ出来る様にしたいのでパスワードの入力方法で難儀した
・PCGを濁音付き かな/カナ に全振りしたので"HP"以外のアルファベットが使えない
・全てのフラグ/ステータスを保存したいのでゲーム内容の割にパスワードが長くなる

 などの理由で断念しました。
 上記全てを飲んで実装することも不可能ではありませんが,そこまでのリソースは割けませんでした。

 当然もっとボリュームを増やしてやり込めるゲームにしたい気持ちもあるので,マップを拡張刷新して敵キャラやアイテムも追加した有料版を検討しています。こちらはセーブ機能も実装するので,WebMSXでのプレイを前提とはしていません。リリース済みの無料版はライトなユーザがカジュアルに遊べるバージョン,コンテンツを追加した有料版はマニア向けのやり込みバージョンといったイメージです。

 なので本当はディスクで物理リリースをしたいのですが,フロッピーディスクを安価に入手するのが困難であること,そもそもディスクの読めるMSX実機を所有しているユーザがどれだけ居るのかということで,現実的にはディスクイメージをDL販売して各々好きなエミュレータでプレイしたり可能な人はフロッピーディスクに書き込むなどして実機でプレイする形になるのかなと考えていました。

 ところがここに来てMSX生みの親である西和彦氏が突然『次世代MSXがリリース間近である』旨を公表して界隈が騒然となっています。SNSでユーザの発言に返答する形で断片的な情報が次々と出て来るのでまだ全貌が掴めていませんが,自分にとって重要な項目だけをピックアップすると

・旧機種(MSX/2/2+/tR)との互換性を確保した公式の新機種
・限定販売ではなく向こう10年はamazonなどで一般購入可能
・アマチュア作品の販売も可能なアプリストア

 といったところ。

 これらがいつ,どこまで実現するかは判りませんが,MSX用のゲームを遊べる公式の新機種が発売されるだけでもこれまで色々考えて来た前提条件が全部ひっくり返ります。ストアまで実現すれば『今更MSX用に作っている酔狂なゲーム』が一気に『現行機種で遊べるゲーム(アプリストアで販売)』に変わります。なんだこれ。どうなってんの。

 続報を待ちつつ,とりあえずは引き続き開発を進めたいと思います。

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